技術者と経営者のジレンマ

技術者というのはモノを作るにしてもプログラミングにしても基本的に拠点を構えて何らかの製作(もしくは制作)を行うわけですが、当然それをやらないと売るものが出来ません。ですが自分みたいに技術者が自営業になった時、事務作業だとか即売会だとか営業だとかでどうしても製作に手を回せない時間が増えていき、製作の時間が圧迫されます。
よく技術仕事だけやりたいなら会社で雇われて仕事する方がいいと言われますが、良し悪しは抜きにして実際の所実務に集中できるのは会社に雇用されるのが一番なんだなと改めて感じています。「自分で作って売る」というのを主業務とした場合、その他の業務で一番やらないといけない「売るもの作り」に割く時間は確かに減っています。今何かを作る作業って1日8時間は出来ていないんじゃないかな?

で、例えば技術者本人が法人成りしてある程度人も雇って会社を経営するとなると、本人は資金繰りをしたり営業に出たりで何かを作るという時間というのがゼロに近くなっていく、あるいはゼロそのものになります。技術者は技術仕事をやりたくて仕事をしてきたのに、会社が出来て自分が経営者になるとその仕事が出来なくなるというのはジレンマだよなと。

よく「俺は現場にこだわりたい」という理由で昇進せずにそのまま刑事を続ける主人公というのがありますが、本質は変わらないのかもしれません。会社内でも役職が付けば現場仕事が出来なくなっていきます。今考えても仕方のないことですけど、両立というのはどこまで出来るものなのかなというのは探っていかないといけないかなと感じています。

実は前職の会長が経営者をやりながら開発をしていました(自分が入社した時にはもう現場からは離れていましたけど)。何か方法があるのではないかとは考えている所です。