技術者と経営者のジレンマ

技術者というのはモノを作るにしてもプログラミングにしても基本的に拠点を構えて何らかの製作(もしくは制作)を行うわけですが、当然それをやらないと売るものが出来ません。ですが自分みたいに技術者が自営業になった時、事務作業だとか即売会だとか営業だとかでどうしても製作に手を回せない時間が増えていき、製作の時間が圧迫されます。
よく技術仕事だけやりたいなら会社で雇われて仕事する方がいいと言われますが、良し悪しは抜きにして実際の所実務に集中できるのは会社に雇用されるのが一番なんだなと改めて感じています。「自分で作って売る」というのを主業務とした場合、その他の業務で一番やらないといけない「売るもの作り」に割く時間は確かに減っています。今何かを作る作業って1日8時間は出来ていないんじゃないかな?

で、例えば技術者本人が法人成りしてある程度人も雇って会社を経営するとなると、本人は資金繰りをしたり営業に出たりで何かを作るという時間というのがゼロに近くなっていく、あるいはゼロそのものになります。技術者は技術仕事をやりたくて仕事をしてきたのに、会社が出来て自分が経営者になるとその仕事が出来なくなるというのはジレンマだよなと。

よく「俺は現場にこだわりたい」という理由で昇進せずにそのまま刑事を続ける主人公というのがありますが、本質は変わらないのかもしれません。会社内でも役職が付けば現場仕事が出来なくなっていきます。今考えても仕方のないことですけど、両立というのはどこまで出来るものなのかなというのは探っていかないといけないかなと感じています。

実は前職の会長が経営者をやりながら開発をしていました(自分が入社した時にはもう現場からは離れていましたけど)。何か方法があるのではないかとは考えている所です。

ドール用レザーベルト試作


何というかこうファンタジー的な服のベルトを作るのに何で作るかなーと考えていたのですが、結局革に落ち着いたのです。やっぱり革がそれっぽいかなと。

ということでレザークラフトのお店にお邪魔してきて、今まで使っていたもの(確かブレスレットを流用したような)と似た感じで作りたいという風にお話してきて、材料と道具を買ってきました。


〇材料
・テープ状の革(幅9mm、厚さ2㎜のもの→長さ30cm)
・両カシメ
・バックル金具
以上です!とってもシンプル!

で、これを組み立ててベルトにするのですが、もう少し綺麗に作りたいかなーって。
この作り方だととってもシンプルでいいのですが、幅が固定されるし形も凝れないのできちんと1枚革から形を出した方がいいのかなと考えています。そうなると結構大変ですし、染色をしないといけないとなるとドールへの色移りが懸念される、それを抑えるためには既成の色が付いた革が欲しいけどどこまで安定供給できるのかなど問題があります。ベルト1つにしてもたくさん作るとなると考えないといけないことは色々あるんですね。

ともかく、次のイベント用ファンタジー服はこの方針を詰めていこうかなと思います。

3D出力の問題点

モデリングやりまくって更新がおろそかになってしまっていますけど……。

3Dプリンターというのはそこまで万能の機械ではなく、他の方式で形を作ったプラスチックに比べていくつか問題が出てきます。

まず分かりやすいのが、積層跡。きれいな表面を出したいと思っていてもどうしても積層の問題は出てきます。なるべく綺麗に出力したいのですが、どうしても表面処理は必要になってきます。

それから大きな問題になってくるのが強度です。3Dプリントという方式は平置きにした本のようなもので、1枚1枚の紙の集合体でブロック状になっているようなものです。なのでページ1枚1枚の間にしおりを挟む方向が弱くなります。
Z方向(テーブルの高さ方向)に高くなるように、道路の電柱のように棒を立てて出力すると、その棒は何かと折れやすくなります。これが3Dプリンターの弱い所です。

なので造形も結構気を使わないといけません。これも技術ですね。あと使っている材料がひょっとしたらZ方向の出力で他の材料より強度が劣っている可能性もあるので、一度別の材料で出力したらどうなるかと考えている所です。

3Dプリンター クホリア届きました!

遂に我が家にも3Dプリンターが導入されました!どんどん作るよ!

今回購入したクホリアは熱で柔らかくなるプラスチックを溶かして形を作っていくタイプですが、その中でも造形の精度がものすごく高いモデルです。表面が高精細になると作業性が良くなり、造形品を製品にするにしても複製の原型にするにしてもどちらでもメリットが大きいです。
ただ、安いモデルが今なら10万円弱で買えるところ30万円オーバーというかなり高額な3Dプリンターです。自分も銀行さんからの融資で購入しています。きっちり売ってきっちりお金返さないと……。

材料はPLA(ポリ乳酸)やABSの他、使える樹脂がいろいろあるようです。基本的にはPLAかABS、個人的には削ったりするのにやりやすいABSが好みです。

元々3Dプリンターを用いて、ドール用アイテムを作っていくというよていでした。というわけでまずはオーソドックスな西洋剣を。

剣は刀身、鍔、グリップの3パーツ。鞘はいわゆるモナカ(2枚貼り合わせ)の2パーツです。こっちは嵌め合わせが難しいのでちょっと形状考え直さないといけないですね。

40㎝ドールに装備させるとこんな感じです。吊り輪は最終的に革か鎖かにしたいですけど、とりあえず手元にあった丈夫なニット糸を。

きちんと抜くことも出来ます。これを次のイベントに、旅人の服的なファンタジー衣装と合わせて販売したいなって思っている所です。動作不良起こさなければいいんですけど!
色はまだ付けていませんけど、着ている服と合わせてファンタジー感出てるかな?と思います。背景がファンタジーじゃないですけど。

こんな感じでドールアイテム色々作りたいですね。特に楽器を作りたくて、以前から手で作っているケンハモとかギターとかをきちんと造形したいと思っています。

最近話題のハンドメイド作品とお金の話

そりゃあ誰だって高く売りたいし安く買いたいです。商いの基本です。皆ドラクエ4やったじゃん?
この「作品(というか作ったもの、「製品」と呼ぶことにします)と値段の問題」というのは定期的に出るものなのですが、仕事で作品作りをやる者の端くれとして、自分どうやってたっけというのを思い出すための備忘録として書いています。主に前職の製品設計開発業務の経験をベースにしています。

■原価

「自分がそれを製品として完成させるために必要な全ての値段の合計」です。その中には

・原材料費(買ってきた生地やパーツ、接着剤や糸なども含まれます。他にもパッケージ資材とか)
・設備工具費(各種工具だとかミシンだとか、それを作るのに必要な道具、機械全ての費用です)
・ランニングコスト(主に光熱費、3Dプリンターなど電気代がかかるものも)
・建物を借りていればその建物の値段など
・開発や製造のための人件費
・イベントに行って売るなら参加費や交通費も。版権物なら版権料も

といったものが入ってきます。原材料費=原価では無いです!
算出方法ですが、生地や糸なら総量の値段から必要な長さを割るとか、設備費だったら何個売ることでペイするか、といったことを考えて計算します。
設備費は度外視して、利益から引いていくという考え方もあります。ランニングコストは他の費用のパーセント掛けというのもありますね。

問題はこの中の人件費で、例えばその地域の最低賃金とか1時間当たり1,000円とか、いろんな決め方があります。ともかく、人件費は原価に含まれます。
ただ銀行さんで伺った所、自営業の場合事業主の場合人件費は掛からないものとして計算するとのことでした。自営の場合人件費は基本的に人を雇う場合に使うようです。

■利益

この原価を基に利益を入れて、原価+利益を販売価格とします。
これも人によって様々で、原価と同額を利益にする(利益率50%)とか、同様の品物の相場に合わせるとか(同人CDなら5曲500円とかそういうのです)色々あります。
自営の場合別の方法として、多めの金額を利益込みの原価とというものがするあるそうです。利益込みの原価を自営業なら例えば7,000円/時間というもので(特にサービス業で7,000円/時間という値段になってくるそうです)、製造だとどうなるのかなと思うことはあるのですが案としてはありだと思います。

■値段を安くする方法

これは発想としてはシンプルで、

・利益など完全無視で値段を下げる
・設備投資や簡単に作れる方法を編み出すなどの工夫をする
・原材料費や人件費を安くする

などの方法があります。

単純に値段を下げるというのは、材料費以外頂かないという趣味でやっている方はそうやっている方もいます。ですけどそれで人生舵取りしている人もいるので、「あそこはあれだけ安いのにこっちはこんなに高いの!」みたいなのはご勘弁願いたいです。

ベストなのは設備投資、アイデアによる価格下げでしょう。これなら他との差別化が出来ることはもちろん、既に販売しているものなら同額で販売して原価を下げて利益を上げることが出来ます。他にも一度に同じものをたくさん作るとスピードが上がって製造のための人件費が上がり、結果として原価は下がります。

各種費用を安くするというのは、日本あるいは世界の製造業で多くされてきたことです。大都市のメーカーが地方に工場を建てるのも中国や東南アジアなどに製造拠点を移すのも、結局は原価を下げるためです。東京の最低時給が1,000円、福井が800円となると、ざっくり計算な上運送費抜きですが福井だと東京の20%引きの人件費で同じ仕事が出来ることになります。

■会社で働きながら作っていた同人CDの例

〇材料費 合計90円/枚

・CD-R:4,000円/100枚→40円/枚
・ジャケット(A4フライヤーを加工):4,000円/100枚→40円/枚
・不織布:400円/100枚→4円/枚
・外装袋:600円/100枚→6円/枚
※盤面印刷費はいつも無視していました(生活に使っているものの流用のため)

〇組立人件費 20円/枚

100枚で2時間、時給1,000円として100枚を2,000円→20円/枚

〇開発費 43,000円

・1曲8時間、時給1,000円として8,000円→5曲で40,000円
・ジャケット作成3時間、時給1,000円として3,000円

単純な製造原価は90円+20円+(43,000円/総販売枚数)になります。
100枚なら540円/枚になりますが、500円で売っていたら赤字ですね。
実際は交通費とか参加費も含まれますのでさらに赤字が膨らみますが、仕事やりながらの同人ならこれでいいやと思っていました。実際には人件費を無視して材料費と交通費、即売会参加費をペイできればOKと考えていましたね。

先日同人音楽を縮小するという話をしたのは、生活をするのがこれではいけないと思ったからです。生き延びるためには利益を出さねばならず、現状と同じでは利益どころか赤字というのが現状です。100円/曲って改めて破綻しているんだなと感じています。

お金の計算は時々心が折れそうになりますが、おろそかにすると生活が出来なくなってしまいます。仕事をするようになると算盤弾くのも楽しいものですけど……。

■結局何を買ってもらうの?という話

ただよく言われることですが、やっぱり単純な等価交換ではなく「価値を買って頂く」ということなので、値段如何問わず気に入ったから買ってくれるというのが一番嬉しいですね。うちのこよそのこ服作り頑張ろう……。